カテゴリー: Review

  • 前門の無知、後門の苦情

    かつて、オーストラリアの作家が書いた小説で、「宝くじは無知への課税である」という素敵な表現に接したことがある。…

  • [Review]: 七回死んだ男

    科白の内容は妹に向けられていたが、舞姉さんの涙に濡れた双眸は最初から明白に冨士高兄さんに据えられていた。それで…

  • 接客の鍵は自分の声と顔

    言語と主体についての問題系の輪郭が整ったのは、一九世紀の終わりから二〇世紀のはじめにかけてのことである。マルク…

  • 共同化された錯誤

    「これは、人間の自己存在とは何であるか、という根源的問題でもあるのだよ」 「要するに、相対的なものだ、とおっし…

  • 大木から離れる

    大きな木の下には草も育たない、という。大木はそばらしい。寄らば大樹のかげ、という言葉もあるくらいである。近づき…

  • 服が僕を着る

    教師も看護婦も、教育や看護の現場でまさに他者へかかわっていくのであり、そのかぎりで他者からの逆規定を受け、さら…

  • 補助線が引ける人

    ある社会が「個性」や「権利」をどのように扱うかは。第一義的には、コミュニケーションの現場で人々が何を是とし、何…

  • 無関心は顔に出る

    顔はたしかに、作ること、とり繕うことのできるものである。が、作り、とり繕ったつもりになっているだけで、ほんとう…

  • あれこれもそれもどれも

    大切なのはわれわれが生き延びていくための「知恵(Wisdom)」であり、それは社会情報から精選されたエッセンス…

  • 同じものを食べ続ける

    つい先日、千日回峰を2度もやり遂げたという比叡山の高僧の食事について知る機会があった。その内容がすごい。1日2…