[Review]: 子どものための哲学対話

子どものための哲学対話

ペネトレ: 人間は自分のことをわかってくれる人なんかいなくても生きていけるってことこそが、人間が学ぶべき、なによりたいせつなことなんだ。そして、友情って、本来、友だちなんかいなくても生きていける人たちのあいだにしか、成り立たないものじゃないのか?

『子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!』 P.63

この本が大好きで、折に触れて手に取りパラパラとめくっている。「子どものための」とあるタイトルどおり、難しい単語は一切登場しない。「哲学」も最後に紹介されるだけ。紹介の仕方が素敵。

めくるたびに思う。子どもが知っている単語で考える楽しさ。簡単な内容を難しく言うなんて、大人になれば誰でもやっている。僕は、難しい単語を吐く人、特に、自分の位置にとどまって単語を吐く人を嫌っている。相手の位置によって単語を使い分けない。自分を固定させた人。そういう人が使う単語の半分は、本屋に行けば書棚に入っている。難しい内容を簡潔に伝えようとしているだろうか?

めくるたびに自分に問いかける。

「自分で発見する」には「何を」しなければならないか?

答えられない自分が嫌になる。だけど、僕は僕。ずっとつきあっていかなければならない。だからあきらめずに前へ進む。

簡潔に伝えることは、「わかりやすい」じゃない。何度もこの本を読んでいるけれど、今でもよくわからない。たぶん、正解はひとつじゃないだろうなって思うけど、それもよくわからない。

ところで、「気が置けない」って意味を知ってる?

ペネトレ: そうだよ。最近の若い人は、きみような意味でつかうらしいけどね。

『子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!』 P.44

意味を知っているけれど、どうしてそうなったかを僕は知らなかった。じゃ、どうして「どうしてって問いかけなかった?」の?

言葉の意味だけの問題じゃないよ。身近に起こっていることをそのまま捉える。そして、それから「次」は?