世界が注目する日本の原発

日本の原発、信頼性に懸念・海外メディアが批判、中越沖地震

米紙ウォールストリート・ジャーナル(同)は昨年改定された原発の耐震指針について「過去25年で初めての改定だったが、それから10カ月もたっていない」と日本政府の監督体制を疑問視。「原発は自然災害だけでなく、テロリストによる破壊工作に対しても弱い」との専門家の見方を紹介した。

東電の社長の顔を眺めていると、地震直後にくらべ「引き締まってきている」ように感じる。というか、甘利経済産業大臣に呼び出されたとき、記者に応じる”顔”がゆるんでいたか。もしくは、凡人には見極められないほど修練を積んだ結果の達観した”顔”か。

いま、世界から批判されている。隠蔽体質に言及するニュースもあれば、耐震指針や情報公開について原発管理能力の脆弱性を問うている。政府の監督体制も問題あると。

しかし何よりも懸念されるのは、日本の原発が北朝鮮の核施設と同じ「リスク」になりかねないという点。もちろん、平和利用と兵器では性質が違うので同じ俎上にのせられない。ただ、日本の原子力発電の技術がいくら最先端であっても、判断するのは人。

その判断する人が「技術の及ばない領域」に足を踏み入れたとき、リスクは一気に増大する。情報を隠蔽したり、精度が低い情報を提供するから「中身がわからない」という点では、日本の原発と北朝鮮の核施設は「同等」 だと世界からみなされる。

こういうとき、国内を惑わすのは「専門家」でも「素人」でもない中途半端な人たちだ。コメンテーターと称して訳のわからない解釈をのべ、感情を露わにして煽動する。それを制しないテレビに何も期待してはならない。

専門家・政治家・東電・業界関係者は「国内問題」としてとらえるのではなく、「地球全体」規模の問題だと認識して、冷静に分析して何が起こっているのかを公開してほしい。一国民としてそう願う。ただ、その公開について何から何まで私は要求しない。テロの標的にされる可能性があるかぎり、そのバーターを考慮した範囲で結構だ。

バーターを考慮した範囲が「隠蔽」ととられるか、それとも「公開」していると受け止めてもらえるか、それが人智だと思う。その人智を備える人たちが運用する技術にようやく心が安らぐ。