the Right? or the Left?

右であるとか左であるとか、もしくは右寄りであるとか左寄りであるとか、または真ん中であるとか、そういう座標軸のどこに位置するかというようなことが真っ先に浮かぶ文章、また書いている本人もそういうことを、自分が帰属している群れのことを、常に意識しているような文章というのは、今ここに至っては、もう、人を惹き付ける力はない(昔からなかったのかも知れないけど)。

『ぐるりのこと』 梨木 香歩 P.178

昔からなかったのだと思う。でも、座標軸を求めて彷徨い続けているのもほんとだろう。外的伝達情報によって、座標軸の多元化は急速に進化している。かつては一枚の平面でおさまった座標軸が多元化していく。その進化を構成しているヒトがその速度についていけず、彷徨いつづけているのだ、と思う。ヒトが人を効率よく書き換えるには、もう少し先だろう。次に大阪で皆既日食を見学できるときぐらいかな。あっ、もう大阪なんてないだろうけど(笑)