適正利益で事業を続ける

先日、歯科医院の院長先生と適正利益について話をした。歯科業界の業者が請求する金額に疑問を感じたから自分の分析を確認したかった。その翌日、引用記事を目にして驚いた。

住友化学では、蚊帳事業はもっぱら「社会貢献が目的」(米倉弘昌社長)と考えている。だが、主な購入先となっている国際機関からは、適正な利益は確保するよう要請されている。というのも、事業継続ができなければ、蚊帳の供給も止まってしまうからだ。

そのため、住友化学では「いったん上がった利益は学校建設などの形で、再度地域に還元することにしている」(米倉社長)という。

via: 米TIME誌も「世界一クール」と絶賛!アフリカで売れまくる住友化学の“蚊帳”(ダイヤモンド・オンライン) – Yahoo!ニュース

国際機関は適正な利益を確保するように要請していると書いてある。そのとおりだと思う。無償では困るのだ。なぜなら、無償の行為によって生じる赤字が事業を撤退させてしまえば現地の子供たちが困る。だから事業を存続できる程度の適正な利益を確保してほしいと訴える。至極もっともな話だ。

ところが、日本の現場では反対の現象が見受けられる(と思う)。「社会貢献が目的」の行為は無償が当然であって、ややもすればビジネスですら無償が当たり前と勘違いされている。相談が無償なのも首をかしげる。相談する人は自分の時間を消費していると同時に、相談される人の時間も消費している。相談される人は営業だからしょうがない面もあるだろう。だけど、法律(弁護士は含まれないのかな)や医療などの専門家へ相談する行為を無償だと誤解している。

市川園の価格は高いか安いか

大学を卒業して5年ほど税務関係の仕事に携わっていた。その経験をふまえて、法律や手続きなどでわからないことを知人や友人に相談しないよう気をつけている(一度、優秀な女性に社会保険の手続きを甘えてしまった)。相談するなら報酬料金をきちんと払うべきだと考えているし、自分で調べられる範囲なら税務署や社会保険事務所へ出向いて聞いている。

適正な利益に絶対基準はない。それは相対基準であって、他者が高いか安いかと判断する。たとえば文庫本や漫画の価格は安すぎる、と私は思うし、歯科の自費診療がどこも同じような価格に設定されている点を不思議に思う。だから、冒頭の歯科業界の業者が請求する金額には、それぞれの論理があっての価格だと考えるので、正しいや間違っていると言うつもりなんてない。それでも、必要とされなくなりつつある会社ほど、「ぼったくっている」と周りの人が口にするのはなぜだろう? そのあたりが興味深い。

市川園の梅ニンニク

写真は市川園の梅にんにく。この会社の商品を母親が年に2,3回届けてくれる。どれもおしいものばかり。今回、はじめて自分で注文してみた。梅にんにくは、「1日20粒までをめどに毎日食べてみて下さい。体感できます」と書かれてあって、続けてみたところ体感できた。だから注文した。市川園の価格は適正かどうか。「中にいる人(業者)」は何かしら意見を持っているはず。だけど、私は知りたいと思わないし、「市川園 評判」なんて検索する気もない。ただなくなったら困るな、とだけ思う(笑)

*価格と利益は違いますが、あえてごっちゃにして書いてみました。読む人が読めばつっこみどころ満載でしょう(笑)