論理的に破綻する効率的な文章

ITベンダーの営業担当者にはもっと、当社の業務を理解しようという姿勢を見せてもらいたい。提案書を見て、「使い回している」と感じることが多く、がっかりすることもある。

via: 使い回しの提案が目立つ「できます」と簡単に言うな:ITpro

なるほど。毛色の違う話をひとつ。文章を書くとき、自分の言葉を大切にしたい。ただし、自分の言葉とは”オリジナル”じゃない。私には書けない。私が言う「自分の言葉」とは自分で考えて書く文章。じゃぁ、「自分で考える」の意味がのしかかる。

自分の言葉で書かない人に、「論理的に破綻する効率的な文章」を書く人がいる。おかしな言い回しだけど。「効率的」というのは、崩せばコピー&ペースト。おかしい、コピー&ペーストなら「論理的に破綻する」わけない。にもかかわらず論理的に破綻するのは、前後の脈絡をとばして文章をつなぐ由。その文章は、豊富な知識と専門的な単語が配列され、ときおりカタカナが混じってトレンドの単語がちりばめられている。最初はウンウンとうなづけるけど、数行、数ページほど読み進めると、混乱する。一体、ナニが言いたいのかと。部分は論理的にコピー&ペーストされている。ところが前後の文脈が欠落しているから、部分が全体になったとき破綻している。

テンプレートは情報と流行の量で書かれた文章。量を否定しない。ただ、「量」の書き手はその「量」を上回る読み手の出現によって退場を命じられる。もしくは、常に自分より「量」の少ない読み手を探す旅に出る。その量が顧客から受け入れられているのであれば、それでいい。それだけの話なので。

自分の言葉で書く人に、「論理的に破綻した非効率的な文章」を書く人がいる。おかしな言い回しだけど。「非効率的」というのは、崩せば難産の文章。一行書くのに一日かかることもある。おかしい、そんなに時間をかけるなら「論理的に破綻する」わけない。にもかかわらず論理的に破綻するのはなぜか。それがわからない。わからないから、読んでいるとワクワクする。最初は一体ナニを言っているのかわからないけど、数行、数ページほど読み進めると、ウンウンとうなづける。「わかった」までいかないけれど。

テンプレートは情報と流行の質で書かれた文章。流行の質とは、トレンドをスルーした構え。質の書き手は質を上回る読み手の出現によって、「創る」。量に左右されず、時代の濾過に耐えようと苦しむ。

最後に天才。天才は論理を破綻させずに一切の無駄を省いて文章をつづる。一分の隙もない。「天才」の判断基準と定義を私は持ってないので巡り会えず。この先もお目にかかることもないだろうし。ただ想像で書いている。天才が綴るそぎ落とされた言葉。その言葉が描く矛盾を超越した世界。そんな妄想を抱く。

「意味不明」は拒否するけど、「わからない」には感謝したい。「論理的に破綻する効率的な文章」に解多し、「論理的に破綻した非効率的な文章」に問多し。

天才の文章にはナニが棲んでいるのだろう。