立ち止まってスルーしてみよう

「恥ずかしい」「愚かな行為」とか。事の発端はたしかどこかの短大の学生が書いた落書き。それが京都の大学から高校野球の監督の解任にまで発展。発端となった短大には抗議が数百ほど寄せられた(らしい)。内容は「処分が軽すぎる」。何か目をひく報道が姿をあらわすと芋づる式に露呈する。だったらイタリア・フィレンツェの大聖堂の日本語の落書き(全体の1割程度)をすべて映せばいいのにと思う。「ニュースになりそうな落書き」をピックアップしたんじゃなかろうと妄想も。

イタリアの新聞各紙は1日、1面でカラー写真などを使い一斉に報道。メッサジェロ紙は「集団責任を重んじる日本社会の『げんこつ』はあまりに硬く、若い学生も容赦しなかった」と報じる。

フィレンツェに限らず、イタリアでは古代遺跡はスプレーにまみれ、アルプスの山々には石を組んだ文字があふれる。その大半がイタリア人によるものだ。同紙は「日本のメディアによる騒ぎは過剰だ」と、日本人の措置の厳しさに疑問を投げ掛けた。コリエレ・デラ・セラ紙も「行為はひどいが、解任や停学はやり過ぎ」と論評した。

一方でレプブリカ紙によると、大聖堂の技術責任者、ビアンキーニ氏は「日本の出来事は、落書きが合法と思っているイタリア人にはいい教訓だ」と語った。

via: 落書き:伊紙「あり得ない」 日本の厳罰処分に – 毎日jp(毎日新聞)

集団責任を重んじる日本社会のげんこつ、という文字。おお、テンプレートされた日本ってやっぱりあるんだ。こっちも同じような視線。ナポリのゴミ問題やら。ひとつの事件が契機に互いが改善されるとしたら歓迎だけど、垂れ流すことが目的になってしまうのはかんにん。そんな矢先のHack。これなんて思い切りスルーすればいいニュースだと思う。北海道でサミットが開催されるので、そろそろと腰を上げて警備を強化した矢先の出来事だったらしい。面目丸つぶれ。落書きした本人は英雄に。ならば「オレも」と模倣犯が蠢動しはじめる。それをまた報じる。エヘ、オレもニュースになったよ。

同署によると、落書きされたのは2両目で、幅約5メートルにわたって、赤や青の塗料で「Hack」などと書かれていた。センターは新幹線の点検や整備をする施設で、最終の回送列車が到着した1日午前0時過ぎ以降に落書きされたと見られる。1日未明には約20本の新幹線が止まっていたが、落書きされた車両は最も外側だった。

via: 新幹線側面に「Hack」の落書き、車両センターに深夜侵入か : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

毎夜流れる殺人のニュース。そのおかげで物騒になったと思いきや(否定はしないけど)、殺人件数は減少している(参照: google先生)。東京に集中した放送局が「全国で等しく知る必要があるから」みたいな錦をふりかざして北は北海道で起きた殺人を最南端で放映してくれる、そんなすばらしいシステムの恩恵に浴している証かもしれない。

テレビのコンセントを抜いておこう。エコらしいし。あっとコレも毎日流されるニュースのおかげだな。