[Review]: 脳が冴える15の習慣

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)

電通の発表によると、消費者が選ぶ07年上半期の「ヒット商品上位10位」に”脳トレ等ゲームソフト”がランクインだって( 参照)。消費者の健康やトレーニングに対する関心の高まりが際立つ結果らしく、「ああすれば、こうなる」に拍車がかかっていそうな気配。そんな背景もあってか前著 『フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる』 につづき 『脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める』 もAmazonのベストセラーに一時ランクインしていた。この手の本を読んでいると、やっぱり脳に支配されているなぁといくぶん目をそむけたりしてツライ。おまけに脳を鍛える習慣を司るのが脳ってぇことは、なんだか自分で自分の腹筋を殴って筋力トレーニングしている奇妙な感じ。ああ、ヤダヤダ。

15の習慣を均等に実践するのはむずかしい。(先生のご指摘どおり)とっつきやすい習慣から試してみるといいのかな。私の場合、SOHO(聞こえはいいけどただの引きこもりだって)なので脳には劣悪な環境。しゃべらない、小さな平面を長時間見つめている、座りっぱなしって、全部あてはまるっつうから真っ青。唯一、生活のリズムは維持! それと食生活かな。それ以外は赤面。まずいまずい。

分かりやすい言葉で言えば、脳にとって良い習慣を身につけることは、気を育てることに似ています。豊かな葉を繁らせる木でも、環境と育て方が悪ければ葉が落ちる。それが脳で言えば、機能が衰えたり、上手く使えなくなったりするということです。そのとき、何か特殊な方法で一時的に回復させることができたとしても、長続きはしません。環境と育て方に原因があるわけですから、時間が経てばまた枯れてきます。『脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める』 P.4 はじめに

15の習慣に難しい内容は含まれていない。どれもカンタンに手をつけられるし、時間的にも経済的にも負担ナシ。ただし、じぃっと目をこらしてリストアップされた15の習慣を読むと、いかに自分が「あたりまえの生活」を営んでいないかが浮き彫りになってきた。よ〜くわかった気分。

そうだよ、脳が冴える15の習慣というよりもすでに脳が生活習慣病にかかってるんだな。だから生活習慣を修正していくと、それが食生活や早寝早起きや声を出してよく聞くことにつながる。ひいては、「ああすれば、こうなる」の局所的な対処法じゃなく、「全体」を豊かな方向へと導いていく。

な〜んて、自分に言い訳しておこう。だって脳トレ自体が「ヒット商品上位10位」なんだからトレンドなんですよ。ならばいずれ終熄していくんじゃない? ということは習慣じゃないって。ねっ、冴えてるでしょ?! 本書のおかげ(笑)

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