揚げ足をとる

27日の土曜日、近江舞子へ行くために近江今津行き各駅停車に乗った。車内にいた2人の女性が、ドアの上に差し込んである路線図を見ていた。停車駅でも調べているのかなと、僕はチラリと女性を見た。「コレ、嵯峨野線や」とつぶやいていた。彼女たちは、雄琴温泉で降りていった。そのあと、比叡山坂本と堅田で、乗客の半分以上が降りた。のぞかな風景が続いた。

湖西線にある嵯峨野線の路線図

堅田駅を過ぎた頃、男性の外国人が、路線図を見ていた。さっきの女性が見上げていた路線図。男性は、車内で爆笑していた5,6人のなかの1人だ。日本語のアナウンスを理解しているのか、それとも、音で聞き分けているのか、いやいや、そもそも男性が何を知りたいかなんて僕はわからないから興味津々で眺めていた。男性たちは英語で会話して爆笑していた。こんなとき英語で話しかけることができたら違う世界をのぞけるなぁ、と妄想していた。

湖西線の車両に嵯峨野線の路線図。めずらしい光景じゃない。湖西線や嵯峨野線は、まだ古い車両(緑と橙)が走っている。嵯峨野線で走っていた車両で、路線図を差し替える手間が惜しいのだ、と推察。物量としての人を減らした結果、想像力を失った。1人の人間が多角的な視点で想像できれば、数分で終わる作業すら惜しい、といったところか。

先ほど、WAKWAKから[重要]と記載されたメールが届いた。件名は、”[WAKWAK-information] 【重要】フレッツ接続用DNSサーバの変更について”、差出人は、”support”とだった。ちゃんとした組織が、意味不明の差出人メールを送信してくるのかとびっくりした。僕は、件名より先に差出人を確認するから余計に目に付いた。

メールを読んで、「伝える」ことの難しさを痛感した。

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

平素は WAKWAKをご利用いただきまして誠にありがとうございます。WAKWAKでは、信頼性向上、セキュリティ強化を目的として、フレッツ接続用DNSサーバの変更を実施しております。DNSサーバのIPアドレスはインターネット接続時に自動で設定されますが、手動にて既存のフレッツ接続用DNSサーバのIPアドレスを設定されているお客様につきましては、新しいフレッツ接続用DNSサーバへの設定変更をお願いいたします。詳細は下記のとおりとなります。

新しいフレッツ接続用DNSサーバはWAKWAKのフレッツ回線からのみご利用いただけます。なお、既存のフレッツ接続用DNSサーバは平成21年3月末を目途に廃止させていただく予定です。該当するお客様は早めの設定変更をお願いいたします。

お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

「手動でDNSを設定している人」へ注意を喚起するためのメールなのに、「DNSサーバーがいつから切り替わるのか」は記載されていない。注意書きには、

平成21年4月以降は、既存のフレッツ接続用DNSサーバは使用できなくなり、ホームページの閲覧が出来ないなどのエラーが発生しますので、必ず設定変更をお願いいたします。

と書いてあるけど、「いつから」は書いてない。「実施しております」と書いてあるので、すでに切り替わっていると思う。万が一、まだ切り替わっていなければ、DNSの設定を変更すると、「ホームページの閲覧が出来ないなどのエラーが発生」する。DNSの手動設定なんて少ないと判断しているかもしれない。

  • 手動でDNSを設定している人が何を知りたいかを想像していない
  • 手動でDNSを設定している人に何を伝えなければならないかを考えていない

ことが重なるとこうなるのか、と参考になった。

追記:::

メールに記載されたリンク先のインフォメーションにアクセスすると、昨年に一度案内しているらしく、さらにリンク先をたどると、2007年からDNSサーバーが変更されていて、既存のDNSサーバーは2009年3月末に終了予定とあった。失礼いたしました > WAKWAKのsupport様

自分のバカ加減を再確認できてよかった。