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複雑は簡単 簡単は複雑

ホワイトカレ

人間知性は「話を複雑にし、ついでそれを簡単にする。さらにそれをもう一度複雑にし、ふたたび簡単にする。さらにそれを……….」という循環プロセスを繰り返すことによって機能しているか、あるいは、そのプロセスを繰り返すことでしか機能しないのである。

『死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく)』 内田 樹 P.39

削ぎ落とされた結果は美しいけど、削ぎ落とされるまでの行程は恐ろしく複雑だ。

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生来備わっている能力

琵琶湖

ある事象について考えられうる説明仮説は厳密には無数にありうるが、しかし人間の精神は考えられうるあらゆる仮説のなかから、ある有限回の推測によってもっとも正しい仮説を考え当てることができる

『アブダクション―仮説と発見の論理』 米盛 裕二 P.73

観察の視点が異なれば意見に変わる。

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思考はマルチタスクでも行動はシングル

なるほどぉな結果が発表されました。

先月、米国科学アカデミー紀要で公開されたスタンフォード大学の研究「メディアマルチタスク作業者の認知的統制」が、多くの人に当たり前と思われている現象を裏付けた。すなわち、しばしば効率化のために行われるマルチタスク作業は確実に生産性を低下させるのだ。この研究が対象としているのは、ITにおいてはよく知られているのにしばしば無視される現象、すなわち、恒常的かつ継続的なマルチタスク作業である。アジャイル実装者は注意すべきだ。各チームは1人のプロダクトオーナーがついた1つのプロジェクトに対して作業をするよう勧めるのには充分な理由がある。注意力を多くの異なるタスクに分散させるのは、作業をする上で非効率的なやり方なのだ。

via: InfoQ: スタンフォード大学の研究成果:重度のマルチタスク作業者はパフォーマンスが低下する

“ながら”とマルチタスクは異なると思うけど、自分の生活を観察すると納得できる。どうでしょう?

知能の高い人はマルチタスクを難なくこなせそうな印象を持っています。あと、集中力と知能ってリンクするのかな。昨今、カルチャポップになったような脳科学的にはどんな説明がされるのでしょう。

生活を削るよう指向していると、認知と認識の範囲は限定されるとぼくは理解している。日記を書いていると、自分の興味の対象を確認できる。頭の中をアウトプットすると、関心の対象の狭さにびっくり。意識と認識、どちらが優先されるか知らないけれど、自分の認識は自己評価ほど高くない。精度は低い。おそらく躰は五感を操作して察知しているはずなのに、認知と認識の階層まであがってこない。

2007年の後半から「流れてくる情報の価値は相対的に低い」と想定した。手始めにフィードを80%減らした。今も減らしている。ネットに留まらず、生活のスタイルを変えた。日常のノイズを遮断するために何を削り、何をするか。時間と空間は限定されている。効率がよいパフォーマンスと適度な無駄を生む。無駄が大事。

流れてくる情報を遮断すれば、飢餓感が襲いかかってくる。その時、ああそうか、と体感しました。流れてくる情報や必読と錯覚している書籍、それら膨大なメディアを消化することによって時間を使っていた。その時間の使い方に満足していただけ。時間を消費しているだけで、時間を投資していない。

飢餓感を克服すると、問題設定に思考を注力できる。ようやく「時間」のコツをつかめてきたような手応え。流れてくる情報へ反応して興味を持ったり認識するより、問題を設定するプロセスから認知の質を磨く。必要な要素は語彙と視点と着眼。そして、設計する力。

結果、思考はマルチタスクであっても、出力はシングルっぽいですね、それが自己評価。動作はどうしてもマルチタスクできない。

集中力に関する標準的な心理学的ベンチマークテストをいくつか用いることで、この研究によって示されたのは次のような結論だった。eメールからウェブテキスト、ビデオ、チャット、電話を行ったり来たりして、継続的に多くの情報の流れをさばいている大学生は、マルチタスク作業をあまりしない学生と比べて明らかに結果が悪かった。研究者が特に驚いたのは、いわゆる「重度のメディアマルチタスク作業者」と呼ばれる人たちが、タスクを切り替える能力に関するテストの結果が悪かったことだ。これについては「おそらく、関係のないタスクからの妨害を取り除く能力が低下しているせいだろう」と言われている。

via: InfoQ: スタンフォード大学の研究成果:重度のマルチタスク作業者はパフォーマンスが低下する

OSはデスクトップ環境の利便性を向上させました。Mac OS XならGrowl。Windowsのメーラは着信を通知してくれるらしいです。でも、それらがノイズの可能性も。生産性を低下させているかも。MS Wordを入力中にメール着信の通知。通知をクリック、メーラが起動、内容を読んで返信の有無を判断して、必要ならブラウザを立ち上げて文章を書き、そして、またWordへ戻り、その間に電話が鳴って……。8時間の業務の中でメール入力が占める時間は?

タスクバに現れる記号。あの記号は日常生活に氾濫していて、それを処理することが、「考える」や「創造する」と誤解されかねない、と観察しています。

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習慣の可塑性

カフェデュモンド

理性は人間にとって決定的に重要なすべての事柄についての、非常に危なっかしい先導者となる。こうした誤謬の傾向を子細に検討してみると、誤謬とは時間のなかでのわれわれの行動のランダムな変動に他ならない、ということが分かる。しかし、しばしば見落とされているのは、われわれの知性が育まれ成長するのは、当のランダムな変動によってであるということである。なぜなら、そうしたランダムな変動がなければ、われわれの習慣形成は不可能であり、そして知性とはこの習慣の可塑性のことだからである。

『連続性の哲学 (岩波文庫)』 パース P.170

まず習慣を認識する”点”から始めよう。

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独立させないことで独立を維持する

琵琶湖

なるほど、個人の安全というものは、実に複雑に絡み合ったシステムの中でバランスが取られているのだ。人間を一人抹殺することは、自分の存続に重大な障害になるような仕組み、結局は、自分の利害や安全が、他人のそれらと関連することで成り立つようなネットワークが作られた。だからこそ、かろうじて守られている。独立させないことで、独立を維持するのだ。

『タカイ×タカイ (講談社ノベルス)』 森 博嗣 P.196

安全を意識するようになったと思う。

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TiltShiftGen テスト

初テスト。被写体選びと構図、 ピント合わせが難しい(ーー;)

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間違った決断は1秒あればできてしまう

胡麻だれうどん

「データをインプットしました」

<私>から聞こえてきた。すべてを司る中心。支配と抑制の核。データをインプットする。可能性をシミュレートするために必要なデータ。否、データは必要ない。人間がシミュレートできうるデータは7歳までにスキャンしてしまった。その後、<私>以外のすべてのデータをインプットし続けている。

「面倒だよ、こんな感情をインプットしなきゃならないなんて」

声が聞こえた。<私>は座標軸を確認する。どの細胞が発声したかを瞬時につきとめた。

「面倒ではないのよ。感情は大切なの」

別の座標軸からの声。

「なんで?」

新しい細胞の声。<私>は会話を観察するだけ。座標軸に点在する細胞同士の知能は等しくない。人類の数より多い知能が存在する。水平と垂直に分布する知能。細胞は不利益なデータがインプットされそうになると反乱する。不利益の基準は各細胞によって構築された。支配と抑制。説得は細胞にまかせている。

「感情は予測の変数だわ。わからない?」

“今度はどの細胞?” <私>はその質問を蓄積しているけど使ったことは一度もない。検索と確認のタイムラグはない。細胞の声を聞きながら<私>は意識の98%をデータ解析へ分配した。

「行為は定数です。予測できます。感情は変数です。感情が行為を生みます。それによって行為の集合が拡大します。予測の精度を低下させます。精度の低下を防止するためです」

「予測なんてできっこないじゃん」

「そう思うな僕も」

「あたいも」

<私>は”不可能”の単語へ微小な反応を示した。久しぶりに聞こえた。今までもこの単語を聞いたはずだ。しかし、ビットでしかなかった。今日は機械語から言葉へ変換されたらしい。人類が所有する概念。

「無限を予測するのか?」

ああ、あいつか。また講釈が始まるな。そろそろ抑制しようか。データ解析に分配していた意識を98%から97.9%へ落とす。

「無限をインプットできるのか?」

まずいな。始まりそう。”無限”という概念と実体を思考していないのにあいつは質問する。あいつの思考はまだ下等だ。無限を発声するほど洗練されていない。

「(予測できます。インプットできます。すべてを記憶できます。ただ、すべてを記憶してもあなたたちが思い出さないだけ。可能性から一つの行為を選択するとき、時間は認識と判断へ関与します。しかしながら、最も選択してはいけないと評価される行為を決断するとき、時間はそれらに無関心です。はじめから関与していません)」

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