あの観察を連想する

科学は自然を認識する学問であると、よくいわれる。自然を認識する第一歩といえば、それは観察である。よく自然を見ることから科学は始まる。ところが普通に観察というと、すぐ小学校や中学校などで、動物とか植物とかを観察するという、あの観察を連想する。そして物理学や化学のような学問は、もはや観察などの域をとっくに離れているように考えられがちである。[…]しかし観察ということは、非常に大切であって、このごろのように科学が進歩し、かつ専門家していても、やはり観察を無視することは’できない。単なる観察などでは、新しい知識の得られる余地がないように思うのは、まちがっているのである。

『科学の方法 (岩波新書 青版 (313))』 中谷 宇吉郎 P.122-123

「あの感想を連想する」僕は観察を理解していない。