東西南北わたしのものだ

浜大津市民ホール

今この時から、わたしはじぶんじしんに命ずる、限界や想像の
境界線からはみでよと、
自己の全的絶対の主人としてわたしは、じぶんの望む所に赴き、
他人の言っていることをよく尊重し、かれらに耳を傾け、
立ち停まり、探し求め、受け入れ、熟慮し、
優しく、だが否定しえない意志の力で、わたしを捉えようとする
桎梏からわたしじしんを解き放つ。

わたしは空間の大気を大きく幾度も吸いこむ、
東も西もわたしのものであり、北も南もわたしのものだ。

“ホイットマン詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)” (ホイットマン, 木島 始) P.75

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