主語を置き換える

近江大橋

橋本 一昔前ね、拒食症とか、摂食障害になる人というのは、ちょっと美人だったんですよ。

内田 なるほど。

橋本 ちょっと美人だから、「もうちょっと頑張れば」というのでやって、落とし穴にはまるわけですよ。それでダイエットが一般的になってからは、「あなたは美人ではないのだから、”もうちょっと”で頑張ってもしょうがないのに、なぜ摂食障害になりました?」という種類の人が増えてきちゃうんですよ。それって大衆化なんですよね。[…]そうすると量がガーッと増えるから、産業としても成り立つのだけれど、問題もどんどん出てくる。でも産業として成り立っちゃうと問題もどんどん出ているということに関しては、どこかで知らん顔をしてしまうんですよね。
インターネットの弊害というのも、そういう大衆化みたいなもので、本来参加しない方がいい人が、どんどん参加をしてきてしまうから、そのことで意味がなくなってしまうのかなあという気はする。こういうことは言ってはいけないのかな…..。

内田 どうそ言ってください。

“橋本治と内田樹” (橋本 治, 内田 樹) P.251

橋本先生がおっしゃる「構造」の主語を置き換えると、たぶん、アレにもアレにもあてはまる。利潤が高いから参入する人が増えるとアレなわけで。本来参加しない方がいい人がどんどん参加してくるとアレなわけで。

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