一人ですべてを背負う歯科医院

経営不振から歯科医療が活力を失っている。このままでは医療の質が低下し、患者にとっても不利益になる。どうしたら元気になるのか。歯科医に医院(診療所)経営のノウハウをアドバイスしている専門家は「予防治療を確立するとともに、専門分野を増やすことが必要だ」と訴える。その著書では実際の廃業事例を挙げ、リスク管理の重要性を指摘している。こうした姿勢は歯科医療だけでなく、われわれの日常の社会生活の中でも役に立つ。

via: 歯科医療 「予防」確立し活力を 目立つ経営難 専門分野増やす必要も (1/2ページ) – MSN産経ニュース

歯科医院は報道であまり取り上げられない。実態はどうなのだろう。報道が医科と歯科を峻別しているのかどうか知らないけど、話題にのぼらない。のぼっても、「痛くない虫歯治療」や「気になる口臭」とか、情報誌のような伝え方をされかねない。

さらに、堀尾さんは「診療科の多い医科に比べ、歯科の専門分野は小児、矯正、審美ぐらい。診療領域を増やす努力も大切だ」と指摘する。

via: 歯科医療 「予防」確立し活力を 目立つ経営難 専門分野増やす必要も (1/2ページ) – MSN産経ニュース

そうかなと同意しつつ、立場が違うからわきまえるけど、歯科が専門分野へ特化していっても、来院者がゼネラリストと受け止めかねない。いまだワンストップを望む、あるいはワンストップがあたりまえ、もしくはワンストップしか知らない風潮があるような。そのへんの啓蒙をどうするか。また、スペシャリストをうたうとき、歯科医院も、情報誌のようなニュアンスで広告を出しているように思う。

目先の収入に気を取られ、講習会に出席した程度の知識でインプラント治療を施して失敗し、弁護士から多額の慰謝料を請求されて精神的にも落ち込み、窮地に立たされたケース。あるいは、医院の親子間の継承の難しさ、パートナーの死による診療意欲の喪失…

via: 歯科医療 「予防」確立し活力を 目立つ経営難 専門分野増やす必要も (1/2ページ) – MSN産経ニュース

たぶん、今から10年後あたりがどうなるか。言葉を濁すと、新術式による予後の問題と患者の口腔内管理のズレが、どんな形になって現れるか。それと事業承継。

厚生労働省によると、歯科医数は平成18年現在、9万7198人で、10万人を突破しそうな勢いで増えている。人口10万人当たりの医師数は74・0人。昭和50年のそれが37・5人だから、約30年で2倍も増えたことになる。医科と同じ地域的偏在の問題もある。

この歯科医の増加に比べ、歯科医療費は2兆5000億円ほどで10年以上変わらず、歯科医1人当たりの医療費は減るばかりだ。その結果、歯科医院が倒産したり、経営的に常勤医を雇えなかったりする事態が起きている。都心部では歯科衛生士よりも収入の低い非常勤の歯科医も目立つ。

via: 歯科医療 「予防」確立し活力を 目立つ経営難 専門分野増やす必要も (2/2ページ) – MSN産経ニュース

歯科医院の院長は、診療、経営、管理、育成などを一人で背負っている。収入が青天井でないこと(医院を増やせば別)が最も特徴的。ということは、人件費も一般企業のように上げられるわけでもない。立場をわきまえて、虎の尾を踏まずに言い散らすと、人の需給が不均衡。そこに、外部の助言者がやってくる。すると、現象は複雑になる。

複雑になった原因をひもとくと、助言者が専門家だから。