個人情報に敏感 天に鈍感

Googleのストリートビューがはじまった。前の里のマンションが丸見え。ネット界隈は賑やかになってきた。Googleもプライベートについて方針を説明(参照: 「ストリートビュー」のプライバシー問題、グーグルが方針説明)。ひょっとすると個人情報に敏感な人は天の観察に気づいていないかもしれない。

6月の下旬に市役所から書類が届いた。住民税が還付されるかもしれないよと書いてあった。文章を一読してなんのことかさっぱりわからない。計算式もまったくわからない。とにかく同封してある申告書にサインして提出するようにとのお達し。期限は7/1-7/31まで。サインして7月の初旬に市役所へ行って提出した。まさに「渡した」だけ。あれから音沙汰ナシ。

以下、一般論じゃなくて勝手に不思議に思っていること。

どうして「渡すだけ」の時間なんて必要なのだろう。社会保障番号みたいなユニークがふられて、それをネットワークで入力すればサーバー側で受信して、必要な情報をDBから読み取り、還付金額を計算して、そのままオンラインで銀行口座に振り込めばいい、と思う。申告も同様。インターネットがある時代に「足を運ぶ」理由がわからない。

事務手続きのうち、「判断しないでいい」行政サービスや「数値演算」の計算サービスは全部サーバーに委託すればいい。こう書くと”セキュリティー”という免罪符がたぶん与えられる。免罪符は、公務員の雇用を守ってくれる。たぶん10人分ぐらいの年収を払えば、クラックに対抗できるシステム管理者を雇用できるだろうし、数万人の年収と取引すればシステムも構築できる(と妄想している)。

別に公務員に限らず。ああこうすればいいなぁと思うことを想像していけば、私は必要とされないなぁと気づく。その恐怖が自分の糧だと思う。自己防衛は自己の頭脳の拡大と増強。それを怠れば必要とされなくなるのはやむを得ない。まったく役に立たない自分に気づくこと。それを認めること。

「インターネットからの手続き」が「足を運ぶ手続き」より不便になるなんて奇妙奇天烈なシステムができあがる。何かが起きたとき自分たちの責任にしたくないから。

もうひとつ。ユニークの番号をふるなんてもってのほかだと憤る人はいるだろう。監視社会やプライバシー侵害が躍り出る。不思議だ。今、天は人工衛星を打ち上げ住所を入力すれば自分の家の真上なんて丸見えだし、今度は360度眺められる。年賀状に記された個人情報をインターネットで入力すれば、どんなところに住んでいるのか一目瞭然。

ネットワークが分散化していてもシステムは中央集権化している。情報はあちこちに散らばっていてどこになにがあるのか自分ですら管理できない。戸籍、健康保険、年金、生命保険…..。個人のフェイルセーフを勘案すれば、ユニークが漏洩するリスクよりあちこちに点在しているほうが健全という意見も予測できる。その健全と引き替えに膨大な数の公務員を雇用しているのだから、「個人情報はイヤだけど公務員をやめさせろ」は筋が通りにくい。

個人情報に過敏になっていくけど神の視点に鈍感になる。ネットワークが発達すればするほど不便になる。そうやってバランスをとっているのかもしれない。

花と影

今日も影が美しい。毎日、影を眺めていると影も同じじゃない。光に表情があるなんて。嬉しくなってきた。