1920と480の共存

Nokia E71

同調査は、携帯ユーザーが実際にどれだけPCでインターネット利用しているのかについて調べたもの。PCと携帯電話からのインターネットアクセス時間を聞いたところ、48%が携帯のみでインターネットにアクセスしていると回答した。どちらかというと携帯電話での利用時間の方が長いというユーザーも含めると、約82%が携帯電話を中心にインターネット利用していることが分かった。

また、携帯ユーザーの約6割は携帯電話のメールのみを利用していると回答。33%はPCと携帯電話を併用しているが、携帯の方が多いと答えている。合計すると、9割以上の携帯ユーザーがメールは携帯電話を中心として利用していることになる。

via: ケータイのアクティブユーザー、“インターネットはケータイ中心”が8割超に – ITmedia +D モバイル

有効回答数はスルーするとして、テクスト・トークが携帯電話の中心とのこと。一昔前なら納得していた。だけど、今は少し首をかしげる。なぜなら携帯電話に最適化されたサイトが少ないと思ったから。最適化されたサイトが少ないから、テクスト・トーク以外の用途をアフォーダンスされていないのでは。最適化されたサイトがPCサイトと同数になったときの結果は? アレ、レイヤーが違うか(笑)

各キャリアは携帯公式サイトを用意している。フルブラウザ搭載機はPCサイトを閲覧できる。だけど、フルブラウザ搭載機からすると、今のPCサイトは帯に短したすきに長し。そこに黒船がやってきた。iPhone。ティッピング・ポイントまでいかないかも、でも楽しみ。 iPod Touchのディスプレイは480 × 320ピクセル解像度 163dpi。このサイトに最適化されたサイトがほんの少しずつ作成されたり、スクリプトを使って転送されたり。まるで過去に戻ったかのようだ。

ディスプレイの前に坐って調べる時代からリアルタイムに検索する時代へ。代償は「二極化」ではなく「混沌」。固定は1920 × 1200が主力戦、移動は480 × 320。1920には「情報の量と操作の容易性」が求められる。いまだに、必要な情報を必要な順序で最適に表示するサイトは少ない。いまもNike(あえてリンクをはらない)にアクセスして癇癪を起こした。現実の商品と仮想のサイトが極度に乖離した企業もめずらしい。1920は足し算。情報を足し算する。その分、操作が難しくなる。「ドコにナニが掲載されているか」が複雑に。それを解決するためのプログラム。だけど、プログラムを作成することに夢中になった結果、操作性が悪くなったり閲覧性が損なわれたり。

他方、480には「情報の質とアクセスの容易性」が求められる。480は引き算。限られたスペースに最適な情報を発信して、かつアクセスを容易にしなくちゃならない。引き算は難しい。言葉を引き算するには、「伝えること」と「探していること」の折り合いを試行錯誤。素数を探すかのように。iPodの歴代デザインを眺めると、引き算してきた試行錯誤がうかがえる。「操作でナニを必要としないのか」をひたすら削ってきた。iPhoneは無線LANを搭載していないけどNokia E71は搭載されている。自宅で無線LANのアクセスポイントを持っていればPCに電源を入れなくてすむ。ほんの少しのエコ(笑)

24inchの1920を想定したサイトとiPhoneやiPod touchに最適化されたサイトが共存する時代(Nokia E71向けは難しいけど)。足し算と引き算の紆余曲折は新たな局面を迎えるだろう。