月別: 2007年11月

今年から年賀状を書かない

毎年、この時期ぐらいになるとプリンターのインクをチェックしてAmazonから購入。近くのイオンでインクジェット用年賀状はがきを買う。あと喪中の確認、昨年の年賀状をひっぱりだして送り先を見直したり。

それも風物詩だなぁと思いつついいもんだと思っていたけど、同時に何だかなぁと首をかしげる自分もいた。言葉にしづらい、年賀状でつながっている関係。近況報告もなんて、それはそれで大切にしなくちゃいけないのかもしれない。

まぁ、理由をくどくど書いてもそれは言い訳だろう。

ということで思うところありまして今年から年賀状を書きません。送り先の方々がこのブログをご覧になってるとは思わないのでバカな宣言でしかないけど、まっ、そういうことでよろしくお願いします。

[Review]: バカにならない読書術

バカにならない読書術 (朝日新書 72)

「他人は本をどうやって読むのだろう?」ってふとよぎったことありません? 本を読む人なら一度は抱くギモン。いや、そんな経験ナイよって人はスルーしてください。”読書術”の背表紙が所狭しと本棚にならぶ。速読から耽読まで。テクニカルな記述もあれば心構えも。そんな本を二桁も読めば一回りしてだいたいわかってくる。『バカにならない読書術』が目にとびこむ。余計なお世話だと心中でつぶやきながら手にとってしまった。バカな自分。性だな。

人間は一人ひとり違うという前提から入ると、本を一生懸命読むんです。人間は同じだという前提から入ると、違っているのが気にいらないわけです。[…]要するに、気に入らないものを消してすべてを同じにしたがる。そうじゃなくて、人間ってこんなに違っていて話が通じないものなんだな、ということを感じている人ほど、人のことを知りたがるはずなんです。そこで本を読む。

『バカにならない読書術 (朝日新書 72)』 養老 孟司, 池田 清彦, 吉岡 忍 P.70

「わかってくれる」という前提から入ると言葉を失う。阿吽の呼吸とは違う。「わかってくれる」はわかってもらおうという努力を怠らせる。みな同じだ、わかってくれると判断。思考停止。「ああ、また”アノ”事件と同じだ」と推測で報道し、それを眺める人たちは自分の推理と一致した報道に一喜一憂。右を向けば賞味期限と偽装、左を向けばメタボリックとグルメ。雀の涙の語彙と同じ映像の繰り返し。

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SAW4

ソウ〈4〉 (角川ホラー文庫)

Slasher filmをこわいよぉとブルブル震えながら観る。両手で目をふさいで、人差し指と中指の間、ちょこっとだけ隙間を作って。おそるおそる。そんな私がSAWシリーズを読むときや観るとき、ちょっと変わる。震えるけどこわいからじゃない。禁忌にふれたような気分? 畏怖? ジグソウのフィロソフィーに魅了されてしまう。レクター博士とは位相が異なる。共通は怪物の口から発せられる言葉。そのひとつひとつに霊妙な秘密が隠されている。

これから本編を観る人、このノベライズを読み始める人のためにアドヴァイスするとしたら、特に 『ソウ3』 をよく観返すなり、読み返すなりしてからこのパート4に臨んだほうがいい、と申し上げたい。

『ソウ〈4〉 (角川ホラー文庫)』 行川 渉, パトリック メルトン, マーカス ダンスタン P.252 解説

SAWの特徴は時空にあると思う。時間と空間を操り観客をあっと驚かせる。”時間”が私を魅了するもう一つの要素。それはジグソウのフィロソフィーとリンク。過去・現在・未来の生への感謝。時間と生。空間と生。

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[Review]: 粗食で生き返る

粗食で生き返る (角川oneテーマ21)

今朝の体重、58.1kg。8月20日、62.4kgからスタートして今。1年かけて56kgぐらいになればと思っているのでまずまずかな。とくだん苦しい思いをしていない。「何をやったの?」と尋ねられたら答える。「粗食だよ」と。ほんとうの”粗食”からはほど遠いけど。ファーストフードと間食をストップ。「お腹が空く」という感覚、幼少の記憶を蘇らせる。そして、玄米と温野菜、煮炊きもの、焼き魚….etcの食事にきりかえ、ゆっくりゆっくり咀嚼。体重は勝手に減っていった。あら不思議。そんな矢先、本屋で出会った。一気に読んだ。確信した。これでいいと。悩める人、ぜひ読んでほしい。

2005年に「食育基本法」が制定され、「食育」はますます注目されています。食育とは、
「さまざまな経験を通じて『食』に関する知識と、『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる」
運動です。
農林水産省が中心となり、厚生労働省、文部科学省の3省が協力して取り組んでいます。[…]問題点を指摘するためだけに講演会やフォーラムを開催して予算を垂れ流し、それを改善するための行動はなんら起こしていないのです。
それに比べ、食育に本気に取り組んでいるのが、ハンバーガーやカップラーメンなどを扱うファストフードやジャンクフードの企業です。
こうした食品は、健康を考えると食べないほうがいいものの代表です。少なくとも健全な「食」を考えれば、「食べさせたくない・食べたくないもの」でしょう。

『粗食で生き返る (角川oneテーマ21)』 幕内 秀夫 P.23

ミシュランガイド東京版が囂しい。町中を賑わす”メガ”。(本書の紹介にある)スーパーサイズ・ミーを忘れたようだ。科学的根拠に疑問はあるだろう。沖縄が長寿だと聞けば、世界が注目。そして、「今」だけの食生活を分析し、どうやら豚がいいらしいと仮説をたてる。メディアはグルメ番組でながす。おいしそうに。でも、長寿の方々はいう。

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素直であること

オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)

巨人戦のテレビ視聴率の低下に歯止めがかからないらしい。今年でいえば優勝シーンを画面の隅で放映した。むかしなら考えられなかったのでは。皮肉なことに、”常勝”を義務づけられた巨人がFAで補強すればするほど寒風が吹きすさぶような。常勝と人気はアンビバレントでないはずなのに不思議。

そんな状況を憂う広岡達朗氏が苦言を。

「福留いらん!」巨人重鎮がFA乱獲に苦言

「人間は教育で育つ、という理論をわかってもらえない。最初から育成された選手は巨人のにおいが入るんだよ。川上、長嶋、王といった柱が今はない。よそから来た人が一生懸命やっても、本当の柱ではない」

このコメントを読んで、『オプティミストはなぜ成功するか』を本棚からひっぱりだしてきた。

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[Review]: 文章のみがき方

文章のみがき方 (岩波新書)

インターネットの”なか”、ブログが登場して「書くこと」がぐんと身近になった。同時に”格差”も目につく。格差とは質、だけじゃなく、書くヒトと書かないヒト。忙しいヒトは書かない。当然だ。そんな暇があるなら仕事が待っている(はず)。他方、書きたいけど書けない、と言うヒトを耳にする。不思議。「書けない」のニュアンスが難しい。ピンとこない。私は乱筆悪文、意味不明の文章を書き散らす。質は? 知ったこっちゃない。読み手の評価を気にもとめず。「書くこと」に抵抗感がないからますますわからない。ただし、ちょっとでもうまくなりたい気持ちを持ち続けている。なので”文章にまつわる”モノを手当たりしだいに読みまくる。

自分の文章に自分が不満をもつのは当たり前のことです。そしてときたま、自分の文章に「ちょっと満足する」ということもあるでしょう。技巧的なことは、気づいたら直せばいい。しかし、自分の観察の不十分さ、ものを見る目の浅さ、自分のなかの自分勝手な思いこみ、考えのいたらなさなどは気づくのが難しい。でも、気づいたらやり直せばいいのです。
気づくためには、しっかりと自分に向き合うことです。己のおろかさに向きあうことのないおろかものよりも、己に向き合い、己のおろかさに気づき、そのおろかさをなんとかしようともがいているおろかもののほうが、数段ましでしょう。
問題はこころのありようです。

『文章のみがき方 (岩波新書)』 辰濃 和男 P.218

『天声人語』を14年間担当した著者の筆力を前にして黙々と頁をめくった。「紋切型を避ける」ことをせず評するなら舌を巻く。「借りものでない言葉で書く」なら14年間染め抜いた色といったところかな。技術的な指南から心構えまで余すところなく伝える。「正直に飾りげなく」書いているけど「自慢話は」書かない。「単純・簡潔に」書き、無駄のない文章。耽読。

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待てない人々

待てないらしい。携帯メールの返信、5分待っても返ってこなかったらイライラ。懐石料理の前菜からメーンまで待てない。テーブルセッティングに要するほんの数分、声を荒げて帰る人。果ては子どもの成長を待てない親も。

【溶けゆく日本人】快適の代償(1) 待てない人々 数分間でイライラ

“時は金なり”。時と金を等価に置いてしまったのかな? 携帯メール、懐石料理、テーブルセッティング、いずれも趣が異なる「待つ」のはず。どれも同質に。ついには「人間の成長」も。時間を消費する。消費するからには金がいる。だから時間と金がリンクする。毎日習い事を、時間割表から「空白」を消すように。

病院の手術室。待つ。まったくわからない。手術室の扉がもう一度開いてベッドに横たわっている姿をイメージ。ただひたすら待つ。自分ではどうすることもできない。ひょっとすると、手術を待っている人が「はやくしろ、一体いつになったら終わるんだ!」と詰め寄る光景が日常になるのかもしれない。

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