<私>だけ逃れる

こっちで取り上げた話題と他のトピをからめて眺めると、「何だかつながっているような気がするなぁ」と独りごちた。 asahi.comに3つの「迷惑行為防止条例違反」が報道されている。

この3つの記事のなかでひとつだけ「実名」が報道されていない。誰か?

答えは、「電通室長」。

そして、今話題沸騰中の「年金 ご安心ください」。「なぜ、このような事態になったのでしょうか…..その責任は!」から始まる文章のあと、読めばイスからころげおちる。

戦後、自民党はわずかな期間しか野に下っていない。その期間だけに年金の問題が起きたというのだろうか。自民党に責任があるのは自明の理。なのに、自民党に目をつぶり、個人に焦点をあてる。

が、この広報がどうも世論の反感を買っているようだと判明したので、今度は広報室長が矢面に立たされる。党内から失笑を買っている。嫉妬も含まれていると邪推。

そして極めつけが、TBSの社長が「ばっかじゃないか」とコメントした記事。

TBSの情報番組が、ゴルフの関東アマチュア選手権に出場した石川遼選手(15)のプレー中の声を無断で拾うため、同じ組の選手にマイク装着を依頼した問題で、番組のスタッフが別の2選手にも依頼を試みていたことが、六日分かった。[…]TBSの井上弘社長は同日の定例会見で「ばっかじゃないか。非常に腹立たしいし不愉快。(石川選手には)申し訳ない」と話した。

「ばっかじゃないか」とほんとうに言ったとしたら、(幼稚だけど)そっくりそのまま返そう。よくこんな社長が組織を運営しているなと思うより、寒気がした。この社長のもと、「報道」が制作されている現実に。

組織の人間が犯した間違いに対して、「オレ、関係ねぇ」と言外にふくむような「ばっかじゃないか」と組織の”長”が罵る。しかも、(ほんとう口にしたなら)「ばっか」と品性下劣な言葉で。自分に責任がないと思っているのだろうか?

電通室長、自民党、井上弘社長…..眺めていると、<私>だけが逃れられればと身をかわす。罵倒したい。「この場だけ取り繕えば、喉元過ぎれば熱さを忘れる」とほくそ笑むようなふるまい。醜い。

このブログで何度も書いているように、それぞれの世代特有の思考パターンはあるかもしれない 。それでも、苦言を呈したい。

今、メディアでさもありなんと胸をはっている人たち、その人たちが災いをもたらしている。年を重ねたのを尊重できるのは、知恵をもち、勇気をそなえ、責務をはたすからだ。が、どうもそうでない人もいるらしい。高度経済成長期に運良く集団に属しただけで、何も身にまとわず年を重ねた人。日本を先進国に導いて「偉い」と錯覚している人。

規矩ももたず、修養も積まず、ただ年を重ねた人へ問いたい。「矜持」とは何ぞや?

35歳の私は、あなたたちよりも、あなたちが非難する青年たちに凛然たる態度を垣間見る。