ビジョンを語らない

白黒はっきりする。開示する。善悪を断ずる。多くを語れば、「わかる」と錯覚しがちではないだろうか?

【TechEd 2007】「もうビジョンは語らない」,沈黙し始めたMicrosoft:ITpro

「(実現できもしない)将来の『ビジョン』を語るのはもう止める。システム管理者の日常業務をすぐに改善できる『プラン』だけをお話しする」–。米Microsoftサーバー&ツール・ビジネス部門担当のSenior Vice PresidentであるBob Muglia氏は,映画「Back to the Future」の「ドク」に説教された果てに(写真1),「ビジョンを語らない」と宣言した。6月4日(米国時間)に開幕した「TechEd 2007」は,このような異例の基調講演で幕を開けた。

「何を語り、何を語らないか」の峻別に苦心してサイトを仕上げる。一見、「すべて」を掲載すればいいと思うが、それでは”饒舌”になってしまう。饒舌な自分にきづいたとき、なぜそうなったのかをふりかえる。だいたい、そぎ落とせていないことが多く、得てして自分が理解していない。

映画『The Core』で、コンラッド・ジムスキー博士が目の前で起こる現象がわからず、「マグマとはその…..(以下専門用語を並び立てる)」と饒舌になりかけるところに、ブラズが耳元でそっとささやく。

「素直に言っちまいな。”わからない”って」

無駄な要素をそぎ落として、自分が伝えたい中身を吟味する。その中身は洗練され、ときに一言に集約される。一言に集約されるとき、私は

  • 頭の中で全体の映像が描け
  • 正しい判断がくだし、その先にあるとるべき手段を選択でき
  • それらを一言に集約できる豊富な語彙をもつ

状態にある。

西洋の人が、「沈黙は金、雄弁は銀」としたのはなぜか?