投票できるのがステキ

2007年統一地方選挙へ一票を投じる。大津では昼から雨という天気のためか、先週の県議会選挙とはうってかわって朝から選挙会場がにぎわっていた。老若男女の人々が思い思いに投じている姿をちらっと横目で見ながら、眼前に貼ってある紙に驚く。候補者の名前がずらりと印刷されてあり、自分が投じたい人を探すのに目が泳いだ。

「これが電子投票ならどうなるのかな?」なんて頭によぎると、その場が瞬時に脳内でシミュレーションされていく。タッチパネルのスクリーンに候補者の顔を押して…..本人証明のデーターベースにアクセスして…..などなど。すると、よくわかった。難しい。

私の周りにはたくさんのおじいさんやおばあさんがいた。その人たちにとって目の前のシステムが突如ATMのような機械に変わったらおどろかないか。どの世代であろうと、どんな人であろうと、瞬時に理解でき一票を投じられる。そんなUIを構築しようとするのはたいへんだろうな。それよりも、紙と鉛筆が目の前にあって、候補者が印字された紙が貼ってある。なるほど。そんなものか。

私はどちらでもよい。一人でディスプレイに向かってネットから投票しようが、がやがやした「選挙」の雰囲気のなかで紙に書いてもいい。

ただ、今日突然心の中にやってきた。おじいさん、おばあさん、同世代、若い世代、みんながやってきて紙に書いて票を投じる、それ自体が貴重な経験。海の向こうでは選挙に足を運んだだけで殺される地域もある。期待する人に投じる「あたりまえ」が、あたりまえだと認識する以前にあたりまえのように存在する。それがすてき。